介護事業所のホームページに最低限載せたい情報10項目
介護事業所のホームページを新しく作成・見直す際に、最低限掲載しておきたい基本情報10項目を解説。ユーザーに必要な情報から、法令で義務化された公開情報まで整理します。

介護サービスを検討するご家族や、地域包括支援センター・居宅介護支援事業所のケアマネジャーなどの関係者が、事業所の情報をWeb上で確認することがあります。
ホームページを新しく作る、または既存のサイトを見直す際に、「何を載せればよいのか」と疑問を持つこともあるかもしれません。
今回は、情報を探している方々が必要な項目に迷わずたどり着けるように、また事業所側が基本情報を不足なく発信できるように、ホームページに「最低限載せておきたい基本情報10項目」を整理します。
自社の現在の掲載内容を点検したい場合の基準としてお役立てください。
ホームページに掲載すべき「基本の10項目」
ホームページに掲載する情報は、大きく分けると「事業所を利用する人や関係者が連絡・確認をするために必要な基本情報」と、「法令等でインターネット上での公表が求められる公開情報」に分類されます。
これらを混同せず、それぞれの目的に応じて整理して掲載することが大切です。
1. 事業所名・法人名
- 載せるべき内容: 事業所の正式名称、サービス種別、運営する法人名。
- 確認のポイント:
- 通称や略称だけでなく、公的に登録されている正式名称を正確に記載します。
- 同一法人が複数の事業所を運営している場合は、どの法人が運営しているのかを明確にしておくと、信頼性の向上に繋がることがあります。
2. 所在地・アクセス
- 載せるべき内容: 正確な住所、アクセス方法(最寄り駅やバス停、徒歩・車での所要時間など)、必要に応じた地図情報。
- 確認のポイント:
- 番地やビル・マンション名、階数まで省略せずに記載します。
- 車での来訪が想定される事業所の場合、駐車場の有無や駐車可能台数、近隣のコインパーキング情報などを添えておくと、訪問者の迷いを軽減できる一因になり得ます。
3. 電話番号・問い合わせ方法
- 載せるべき内容: 問い合わせ用の電話番号、受付時間、メールアドレスや問い合わせフォーム(ある場合)。
- 確認のポイント:
- 電話がつながる曜日や時間帯(例: 平日9:00〜18:00など)を明記します。
- 緊急時の連絡先や、営業時間外の対応方針が定まっている場合は、その旨を記載しておくと連絡する側の安心材料となる場合があります。
4. 営業日・営業時間
- 載せるべき内容: サービス提供日(営業日)、サービス提供時間、および受付窓口の対応時間。
- 確認のポイント:
- 「実際のサービス提供時間」と「電話等の窓口受付時間」が異なるケースがあるため、それぞれ分けて表記すると誤解を防ぎやすくなります。
- 土日祝日や年末年始、お盆期間の営業・休業体制についても明記します。
5. 提供している介護サービス
- 載せるべき内容: 提供している介護サービスの種類(例: 訪問介護、通所介護など)、介護保険事業所番号。
- 確認のポイント:
- ケアマネジャーや関係機関が紹介・照会を行う際、介護保険事業所番号(10桁の番号)がホームページ上に掲載されていると、事務手続きや確認作業の円滑化に寄与することがあります。
6. 対応エリア
- 載せるべき内容: 通常のサービス実施地域(市区町村名、または詳細な地区名)。
- 確認のポイント:
- 「〇〇市内全域」や「〇〇区・〇〇区(一部地域を除く)」など、対応可能な範囲を具体的に示します。
- 実施地域外であっても相談に応じられる場合や、その際の交通費等の実費負担ルールがある場合は、あらかじめ記載しておくことがトラブル防止に繋がることがあります。
7. 事業所の特徴・方針
- 載せるべき内容: 事業所が大切にしている理念、ケアの方針、スタッフの体制や雰囲気、実際の設備状況など。
- 確認のポイント:
- 利用者やケアマネジャーは「この事業所はどのような特徴があるか」を確かめるためにホームページを訪れることがあります。
- パンフレットの文字起こしだけでなく、実際の活動の様子が伝わる写真などを無理のない範囲で掲載することも検討します。
8. 利用開始までの流れ
- 載せるべき内容: 初回の相談から、見学・体験、契約、利用開始に至るまでの具体的な手順。
- 確認のポイント:
- 初めて介護サービスを利用する家族にとっては、契約までに何が必要で、どのくらいの期間がかかるのか見通しが立ちにくいことがあります。大まかな流れを視覚的に整理しておくと、心理的なハードルを下げる一助になり得ます。
9. 料金・費用に関する情報
- 載せるべき内容: 基本料金(介護報酬に基づく自己負担額の目安)、加算状況、保険外費用(食事代、日常生活費、おむつ代など)の内訳。
- 確認のポイント:
- 料金が利用条件によって変わる場合は、金額だけでなく、どのような条件で変わるのかもあわせて説明すると分かりやすくなります。
- 保険適用外の実費負担(キャンセル料の規定などを含む)についても、あわせて確認できるようにしておくと、利用前の認識違いを減らしやすくなります。
10. 運営規程・重要事項説明書などの公開情報
- 載せるべき内容: 運営規程、重要事項説明書などの事業所運営に関わる重要な文書。
- 確認のポイント:
- 法令等に基づくウェブ公表義務: 2024年度(令和6年度)の介護報酬改定に伴い、事業所における運営規程の概要や重要事項説明書等の書面掲示規制が見直されました。これに伴い、2025年度(2025年4月1日)より、原則としてウェブサイト等(法人のホームページ等、または介護サービス情報公表システム等のウェブサイト)への掲載・公表が義務化されています。
- 法人のホームページ等、または「介護サービス情報公表システム」上に掲載・公表する形で対応する必要があります。ホームページ上で公開する場合は、内容が最新のものと一致しているか定期的に版管理を行いましょう。
掲載情報の整合性を保つための自己点検
ホームページに一度情報を掲載したあとも、定期的な更新と点検が必要です。情報が古いままで放置されていると、かえって問い合わせの際の混乱や不信感の原因になり得ます。
以下のチェックリストを参考に、定期的な点検を心がけてみてください。
[ ]介護報酬改定や料金変更に伴い、ホームページ内の料金表や加算状況を最新のものに修正しているか[ ]移転や固定電話の変更があった際、ホームページ上の住所や電話番号も速やかに変更されているか[ ]運営規程や重要事項説明書を改定した際、ウェブ上に掲載しているPDFファイル等も最新版に差し替えているか[ ]管理者や担当者の変更、営業時間・休業日の変更が正しく反映されているか
まとめ
介護事業所のホームページに最低限載せておきたい情報は、利用を検討する人や関係者が「迷わずに連絡し、安心して選ぶための情報」です。それと同時に、近年では書面掲示規制の見直し等に伴い、事業所運営に関わる重要な情報をインターネット上で公表する役割も高まっています。
まずは、今回整理した10項目が自社のホームページ、あるいは公的な情報システム上で正しく公開されているかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
次回は、シリーズ第7回として、これらの情報を盛り込んだホームページを実際に「どのように作るか」のアプローチについて整理します。
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